坂田家の日常
俺が帰ろうと思ってソファーから立ち上がると、
「なら、尚斗君ん家に行く!!」
「…………」
俺を逃がさないように腕を掴み、離そうとしない。
「いつも来てるじゃんかよ……」
「いいじゃん!!それともデートする?」
「何で俺がお前とデートしなきゃいけねぇんだよ」
「何でって言われても、恋人だから?」
「恋人じゃねーし。いつ付き合ったんだよ」
「今さっき」
こいつの相手をしてると、セージと同じくらい疲れるな……。
「奏世先輩、今日は無理ですよ」
「なんで?」
「今晩、家族で食事に行くんで」
「食事?」