坂田家の日常
――――――――…
それから、あっという間に一ヶ月が経った。
「尚斗兄、俺のワックス知らねぇ?」
「無くなったって、言ってなかったか?」
「あっ、そうだった」
4月になった今も、我が家の朝は慌ただしい。
「尚斗兄、大学楽しい?」
「まだ入ったばっかりなんだから、楽しいかわかんねぇよ」
「ふーん。じゃ、あたし学校行くね」
「おう、」
学校に行く尚也と菜緒子を見送り、姉貴を起こしに姉貴の部屋に行く。
「姉貴ー、仕事……」
「わかってるわよっ!!」
「……起きてたんだ……」