坂田家の日常
真壁にホレる事が決して悪いわけでもなければ、真壁なら大丈夫だなって思える。
「実らなくてもいいの……。思ってるだけで十分だから……」
「菜緒子……」
菜緒子が素の姿を隠す以上、進展はないに等しい。
それに真壁にはいつ女が出来たっていいようなルックスなんだ。
真壁を狙ってる奴はたくさんいる。
「これはあたしの問題だから。尚斗兄もセージ君も関わらないで」
「……………」
関わらないでと言われても、真壁とは同じクラスなわけだし。
「菜緒子ちゃん。泣きたい時は俺の胸を貸すか―――痛っ!!」
思いっきり、セージの脛(すね)を蹴った。