坂田家の日常
ったくこいつは、黙って聞いてると思ったら、何を言い出すんだ。
「菜緒子、セージは気にすんな。お前はお前が思う通りにしろ」
「う、うん……」
「ほら帰るぞ、セージ」
踞ってるセージを引っ張って、校舎に向かう。
「雨も止んでるし、帰るぞ」
「尚斗ひでぇ〜よ〜…」
「セージうるせぇ。黙れ」
元々、人の恋愛に立ち入っちゃいけないんだ。
たとえそれが妹の恋愛であったとしても。
「はぁ〜…。俺も恋してぇ〜!!」
「どっかでナンパしてくりゃいいだろ」
「ナンパじゃ軽くあしらわれる!!」
そんなに恋がいいもんかねぇ……。