坂田家の日常
俺達が帰ってきてから数十分。
菜緒子がびしょ濡れで帰ってきた。
「もうっ!!なんであんなに雨降るの!?」
「ほら、タオル……」
「……何で尚斗兄、濡れてないの?」
「ん、まぁ…ちょっとな」
セージなんかより、菜緒子を車に乗せるべきだったな。
「菜緒子、風呂沸いてる」
「尚也も濡れてない…。七ちゃんは?」
「七海は母さんが迎えに行ったんだろ」
母さんも七海にはかなり甘いからな。
「ほら、早くしないと風邪ひくぞ」
「あ、うん…」
菜緒子が風呂場に向かうのを見て、俺はため息をついた。