妄想LOVER
芽生え
「このようにクリスは大変いい性格をしている。
永澤。二人きりと、ふざけた態度と締切には気をつけて。クリスマジムカツク。」
私も来栖くんも大変失礼なことを言われてるけど、セイちゃんとの絡みが面白すぎて、またお腹を抱えて笑った。
「はじめまして!永澤香月です!
ずっと編集長についてもらってたので正直不安もありますが、頑張りますのでよろしくお願いします!」
一通り笑ってから、挨拶をして頭を下げた。
そんな私の目の前に立った来栖くんが、また深々と頭を下げる。
何が何だか分からずオロオロする。
「ずっと…永澤さんの処女作を読んでから、永澤さんのファンでした。
今回の異動でまさか担当になれるなんて…本当に光栄です。
編集としては新人ですので、どうぞよろしくお願いいたします。」
正直、ビックリした。
ファンレターを貰うことがあっても、目の前で『ファンです』と言われたことはないし。
何より…処女作から好きになってくれたという。
「セ…セイちゃん、嬉しい!」
思いがけない出来事に照れ臭くて、思わずセイちゃんに声をかける。
「本人に言え。この新作からクリスの担当だからな。後はクリスにまーかせた!
じゃぁな!」
そう言って、何故かホッとした表情をしたセイちゃんは颯爽と編集部から出て行った。
不思議に思っていると、
ハナちゃんから、童話絵本部門(笑)に挨拶と引き継ぎの日程調整に行ったんだと教えてもらった。
最後まで、私の心配をしていたとも。
だからこそ、今日まで言えなかったのだと。
どこまでも優しいセイちゃんに心から感謝して、心の中でホロリと泣いた。
これが来栖くんと私の出会い。
私の中の時計が慌ただしく動き始めた日。
永澤。二人きりと、ふざけた態度と締切には気をつけて。クリスマジムカツク。」
私も来栖くんも大変失礼なことを言われてるけど、セイちゃんとの絡みが面白すぎて、またお腹を抱えて笑った。
「はじめまして!永澤香月です!
ずっと編集長についてもらってたので正直不安もありますが、頑張りますのでよろしくお願いします!」
一通り笑ってから、挨拶をして頭を下げた。
そんな私の目の前に立った来栖くんが、また深々と頭を下げる。
何が何だか分からずオロオロする。
「ずっと…永澤さんの処女作を読んでから、永澤さんのファンでした。
今回の異動でまさか担当になれるなんて…本当に光栄です。
編集としては新人ですので、どうぞよろしくお願いいたします。」
正直、ビックリした。
ファンレターを貰うことがあっても、目の前で『ファンです』と言われたことはないし。
何より…処女作から好きになってくれたという。
「セ…セイちゃん、嬉しい!」
思いがけない出来事に照れ臭くて、思わずセイちゃんに声をかける。
「本人に言え。この新作からクリスの担当だからな。後はクリスにまーかせた!
じゃぁな!」
そう言って、何故かホッとした表情をしたセイちゃんは颯爽と編集部から出て行った。
不思議に思っていると、
ハナちゃんから、童話絵本部門(笑)に挨拶と引き継ぎの日程調整に行ったんだと教えてもらった。
最後まで、私の心配をしていたとも。
だからこそ、今日まで言えなかったのだと。
どこまでも優しいセイちゃんに心から感謝して、心の中でホロリと泣いた。
これが来栖くんと私の出会い。
私の中の時計が慌ただしく動き始めた日。