空の記憶


「俺はみんなの変わらない態度が嬉しかった。」

「僕たちは翼裟くんがどんな思いで乗り越えて来たのか分かってるから。」

「私たちも。翼裟くんとは幼稚園からずっと一緒でもともと感情を激しく出すタイプじゃないのはずっと知ってたから。でも郁哉君たちと話してる時は穏やかだったよね。」

ある女の子がこう言った。

「私翼裟君に助けられた事があるの。翼裟くんは覚えてないかも知れないけど。」

「覚えるよ。弟が事故にあいそうになってて助けて俺が怪我をしたときに君が翔稀さんの所に連れていってくれたんだよね?」

「覚えてたんだね。弟を助けてくれた事」
「俺にも人助けが出来たことが嬉しかったから覚えてたんだ。」

「翼裟くんはそういう優しい人だって知ってるから。みんなも。彼だけなんだ。しらいのは。」

「だから夢…諦めないで。」

「俺達だって知ってたのに。翼裟は関わろうとなんてしなかった。お前を苛めたかったのは極一部だけだったしそれに俺達が助けようとしても助けるなって目をしてた。」

「俺そんな目してた?」

「してた(笑)」


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