空の記憶
葎哉sido
「薮城葎哉君君を我がチームにスカウトをしたい。」
高校三年の夏スペインのある有名チームからスカウトを受けた。
夢だったサッカー選手になれる!そう思った。
でも現実はそう甘くはなかった。
スカウトを受けた半年後両親が死んだ。
俺達をずっと診てくれている両親と幼なじみの折城翔稀(オリシロショウキ)さんが運ばれてきた二人を診てくれた。
父と母が最初一命をとり止めたのは紛れもなく翔稀さんのおかげなんだ。
翼裟も一命をとり止めたのは彼のおかげ。
事故から1ヶ月後に両親は脳出血で二人とも帰らぬ人となった。
「父さん!母さん!嫌だよ、僕を置いていかないで!」
「僕のせいだ……僕がわがままなんて言わなければ…!」
弟二人は背負う思いが違った。
失った悲しみと自分のせいで失った悲しみ
二人を支えるのは俺しかいない。
俺は決心した。
「翔稀さん、俺決めてきた。」
「何をだ?」
「スカウト辞退してきた。」
「何故?」
「夢を追いかけてたら二人を養うことなんて出来ない。二人を支えていくのは俺だから。」
「葎哉…強くなったな…」
「もう弱い僕じゃいられないんだ…強くならなきゃ…強くなることを選ばざるおえないんだ……」
この時を最後に俺は泣かなくなった。