空の記憶
そこに立っていたのは
フランス人形のようなクリーム色の髪に深い海の底のような青い瞳の淡路遥揮だった。
「驚いた?」
「淡路君?」
「そうだよ。俺は淡路遥揮またの名をエレミア・スタンフォード母がフランス人で父が日本人だから俺はフランスと日本のハーフだ。双子の妹は父の血が色濃く出て日本人の容姿をしてる。みんな俺の事をこの容姿や金に群がる。淡路家もスタンフォード家も名門だからね。君も他の人と一緒で金目当てなのか?」
「俺は違うよ…ずっと一人だもん。」
「何故?家族がいるだろう。」
「もう何年も距離を置いてる。あの家でお荷物な俺にはいつでも一人なんだ。」
「どうして?」
「俺の机に書いてあるだろ。親殺しって。そのままだよ。俺のせいで両親は死んだんだ。例え植物人間になったとしても生きていて欲しかった。俺に左目と左肺をくれる必要なんてなかったのに…!」
「俺に…話してくれないか?」
「…俺には7つ上の兄貴と双子の弟がいるんだ。弟は郁哉って言って心臓病なんだ。だから俺は両親と何かしたって記憶があんまりないんだ。だから俺は4年前のクリスマスに幼なじみの女の子のもとに手紙を送ったんだ。父さんと母さん三人でどこかに行きたいって。その女の子は自分の両親にその手紙を見せた。その両親は俺の事を不憫に思い俺の両親にその手紙を見せた。その手紙を見た俺の両親は俺を北海道に連れていってくれようとした。でも空港に行くときに交通事故にあって俺は左目と左肺が機能しなくなった。両親は一命をとり止め1ヶ月後に脳出血で亡くなった。俺の左目は母から移植されたものなんだ。」
「そうだったのか……」
「両親が死んだことで俺達を育てる人が居なくなった。親戚も居なかったから7つ上の兄貴の世話になるしかなかった。だから兄貴はサッカー選手のスカウトを辞退して大手出版社に就職しながら大学に通った。」
「薮城葎哉か!?」
「知ってるのか?」