二人のひみつ基地
沙織と伊織
ゴリラ、デブ、金太郎……

小学六年生の私、森山沙織のあだ名

泣き虫、チビ、グズ……

同級生の相沢伊織君のあだ名

私たちは口の悪い同級生にいつもそう呼ばれていた。

伊織君とは家は近所ではなかったが方角がおなじで学校からの登下校はいつも一緒だった。

学校帰りはその口の悪い同級生からあだ名を囃し立てられ二人でグズグズと泣きながら家に帰っていた。

伊織と沙織よく似た名前で同級生たちは二人をいじめるのが楽しいみたいでどんな事でも何をして意地悪な言葉を掛けて来る。

私は身長が145センチで体重が50キロもあったからお母さんがダイエットだからだと週一回新体操を習わされていた。

伊織君はお父さんが音楽好きで週一回ピアノを習っていた。

「沙織が体操すると体育館の床が抜ける」

「伊織は女みたいにピアノを習っている」

その事すらいじめの対象になった。

私は伊織君といつも傷つけられていた。
< 1 / 95 >

この作品をシェア

pagetop