二人のひみつ基地


私が納得したので光哉も安心したのか
「じゃぁ、帰りますか?」


そう言うと和樹も頷いて亜美の手を引いて駅へと歩き出した。


「あの伊織って子と……付き合ってたの?」


私は首を振った。


「そんなんじゃないけど……毎日二人で遊んでたんだ」


「ふーん。あいつ……かっこいいね」


「うん、びっくりした。でも……もう昔の伊織君じゃないな」


光哉は私の手を握ったままじっと見つめて来た。


「?」


「今のあいつは男の俺でもカッコイイと思ったけど……沙織は昔の伊織君が好きだったのか?」


「そうかもね。あそこまで変わったら違う人にしか思えないな」


私は正直に答えた。



光哉とは中学から友達になった。


と言うか亜美と友達になって、亜美が和樹と付き合い始めて和樹の友達だった光哉と自然に遊ぶ回数が増えカラオケやボーリングなどたくさん人が集まった方が楽しい場所は必ず一緒だった。


だから……異性として見たのは今日が初めてで自分の気持ちはまだ分からない。


光哉はいい子だと思う。


それに優しい子だとも思う。



答えはまだ出ない……



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