二人のひみつ基地
この件に関しては、あまり喋りたくないようだったので、直ぐに話題を変えた。


「そう。そう言えば、陸君に聞いたんだけど海開きのイベントに出るんだってね」


『うん、その予定何だけどちょっと揉めてるんだ。選曲の事でさ』


「選曲?」


『主催者側がね、曲を海らしい曲にしてくれって言うんだ。まぁ言い分は分かるけど主催者って言うのがさ俺の親父も絡んでてさ、お前らの曲は海に合わないからSA○をコピーしろってさ。SA○何てあんまり聞いた事ないし、第一、陸はもう歌えないって、半泣き状態だもん』


「SA○って……それ思いっきりお父さんの趣味でしょ?」


『そう。自分が今回主催者側になってるから、自分のバンドが演奏出来ないんで俺たちにそれをさせようって魂胆が見え見えでさ……嫌になるよ』


「バンドも色々大変だね。でも、陸君が歌えないって泣いてて出来るの?」


『それがさ……笑い話だけど、陸の母親もSA○の大ファンでさ、陸が歌うなら練習用にカラオケ代を全部出すから絶対歌えって言われたらしい』


「あはは……何か……愛子っぽい……陸君のお母さん」



伊織君との楽しい会話が30分ほど続いてお互いお休みを言って電話を切った。



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