二人のひみつ基地
「おーい。伊織、もう一回音合わせやってみようよ」
健也君がドラムを叩きながら言う。
「わかった」
それぞれ持ち場に着いて演奏が始まった。
よく耳にする伴奏が流れ始めた。
確かに誰でも知っている曲で、この曲なら大人から子供まで盛り上がるのは確実だ。
陸君はこの前とは違う声の出し方でかなり頑張っているように聞こえたが
途中、陸君が……両膝を床に着けて前に倒れ込んだ。
演奏が止まる。気分が悪くなったのだろうか?
「いっ……今何時って……連発するんなら携帯で時間見ろよ」
「む……胸騒ぎ○腰つきって……どう言う意味だよ……」
陸君が絞り出すようにそう叫んだ。
伊織君が両手を振って
「休憩しよう」
愛子が半泣き状態で
「り……陸君……可哀相で見ていられない」