‡魔王‡
もしかしたら俺は……。
本当は俺は………。
魔王なのかもしれない……。
「ご気分でも悪いのですか?」
青年はボーっとしていた俺にそう話しかけてきた。
「……俺って…。本当に魔王なのか?」
俺は本当は自分が何者なのかを知りたくなった。
青年はニッコリ微笑み深く頷いた。
「あなた様は魔王なのです。今はその時の記憶を失っているだけ…。そのうち思い出しますよ」
記憶を…?俺は人間じゃないのか…?
「俺は生まれた時から人間だ!確かに普通の人間のような暮らしをした事はない。愛情や優しさを知らない。だが俺は人間だ!」
青年は首を横に振った。
「あなた様は人間じゃない」
俺は人間じゃない……?