‡魔王‡
「少し…記憶を取り戻したのですね?」
「あ…あぁ」
俺は冷静さを保つので精一杯だった。
「魔王様、こちらへお入りください。皆がお待ちかねですよ…」
「皆…?皆って誰だ?」
「……すぐ思い出しますよ」
青年は青い大きな扉を開けた。
中へ入ると物凄い数の人間?がいた。
その人間達は俺を見ると同時に歓声を上げた。
『魔王様が帰って来たぞー!』
『魔王様の復活だぁー』
なんだ…!?
「思い出せないのなら、私が思い出させて差し上げましょうか…?」
青年はその綺麗な赤色の瞳で俺を見つめる。
「いい加減認めてください。あなたは人間ではないのです。この世界の魔王なのです…」