‡魔王‡
目の前が真っ白になった……。
刺された痛みはあまり感じなかったが、その場に倒れて頭を打ったのは分かった。
仰向けに倒れた俺を見つめるのは綺麗な瞳の青年だった。
「思い出して…」
俺は………
「思い出して…」
俺は…………
「思い出してください」
俺は…魔王なのか…
俺の頭の中にまた、魔王の時の記憶が流れてきた。
俺は人間を次々と刺して行く……
逃げ回る人間を容赦なく刺して行く………
笑ってる……
俺が笑ってる……
すごく楽しそうだ…