彼氏に一方通行
「どこが?」


「あれ、わかんないの? てかさぁ、じゃあ逆に、どうして愛されてないとか思っちゃったの? それがわかれば何か解決策が……」


「聞いとくれよ、お二人さん!」

綾子の言葉を途中で遮って、大きめの声で言った。



「私と田所、より戻してから一度もエッチしてないんだよ? 酷いよね? かつてはあんなにも激しく私を求めたくせにっ!」



私たちは、色々あって一度別れています。数々の苦難を乗り越え、そうして『今』があるのです。それなのに……。



「いやそれ、ほんの一時でしょ? しかも悠斗が病んでた時だよね? 元々彼、そっちの方はどっちかっていうと淡泊な感じだし」


「照哉くんは、何も知らないくせにっ!」

負けじと言い返せば、見るに見兼ねた綾子が、

「ちょっと、ほのか……。いくらなんでも照くんの前で、そういう話はやめなよ」

心底呆れたように言う。


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