彼氏に一方通行
三番線乗り場の売店前で、綾子たちと待ち合わせることになっていた。



私と田所が到着した時、綾子と照哉くんは既にそこに居て……。

けれど、二人の他にもう一人――



瀬那くんがイケメンオーラ全開でキラキラと光を放って立っていた。

眩しい。眩しいよ、瀬那くん。



田所の輝きが、君のせいで霞むでしょーが! 淀むでしょーが!




「秋山さん、久し振り」

田所には遥かに劣るも、そこそこ素敵スマイルで軽い挨拶を口にする瀬那くん。


瀬那くんは、私のことを苗字で呼ぶ。というか、女子のことを基本、苗字で呼ぶ。そういう細かいところで一線を引くことで、女子と程よい距離感を保つことを怠らない、それが瀬那くん。



「奇遇だね。瀬那くんもどっか行くの?」


「ん。ご一緒させて頂きます。今日一日、どうぞよろしく」


瀬那くんは、平然と答えた。



何ですとー?


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