彼氏に一方通行
それに胸の谷間をメッチャ覗き込んでくる。張り切って乳パットなんか入れて来ちゃったことを、今更になって激しく後悔した。



身体が目的だろうか? 彼氏でさえ、『目的にもならない』と断言した、酷く残念な身体ですのに……。


いや、喜んでない。喜んでなんかいませんよ。

ただ、私なんかでも抱きだいって思う男がいるんだって、ちょっと安心しただけ。



「触らないでって言ってんのにー」

再び男の手を振り払おうとしたら、すかさずその手首を掴まれた。必死で振り解こうとしたけどびくともしない。一層キツく握られ、その痛みに思わず顔をしかめた。


怖くて、でも凄く悔しくて……。男を見上げて、キッと威嚇するように睨み付ければ、

「調子んのってんなよ。ホントにあんた、彼氏なんかいんのかよ? 可哀想だから俺が相手してやるっつってんのに。ボランティアだよボランティア。てか単刀直入に言うわ、やらせて?」

言って、その顔に勝ち誇ったような嘲笑を浮かべた。


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