彼氏に一方通行
「何? この子、あんたの彼女?」

「彼女じゃない、ペットだ」

またも平然とした澄まし顔で答える田所。


というかですね……、そこは『彼女』って言えよ。

一体何をしに来たのだ、田所は。怒りを通り越して心底呆れる。ため息も出ない。



男は訳がわからないといった顔でほんの少し考え込んでいたけど、突如、ハッとして何か思い付いたように口を開いた。


「ああ、そういうこと? わかった、家畜か、家畜。だろ? なら話早いじゃん、俺にも貸して? それか3Pでいく? そんでも俺は全然オッケ」


巧いこと勘違いしやがって。しかもとんでもなく卑猥でキモいんですけど。



「あんた、わかんねぇ人だなー、ペットだっつってんだろ」


涼しい顔のまま言って、田所はぐうんと折った右肘を後方へ引いた。



嘘っ、変態男が殴られるっ!


反射的に目をキュッとつぶって俯いた。


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