彼氏に一方通行
「待ったー!」

大声を張り上げ、血相変えて乱入してきたのは瀬那くんだった。



「この子はそいつのペットで、俺の彼女。俺ら、こう見えても相当アレなんで、これ以上は彼女の身体壊れちゃうから、勘弁してあげて?」


濁したつもりだろうが、充分卑猥なんだよ、瀬那くん。


私が二人にやられまくっているみたいな言い方しやがって。実際は滅多に触れても貰えず、カピカピ状態だけど。

どっちにしても恥ずかしいな、これ……。



「何だよ? どいつもこいつも変態かよ? あーやだやだ、関わりたくないね」

ふざけた捨てゼリフを吐いて、男は踵を返して私たちに背を向け歩き出した。



「お前の方がっ……」

『何百倍も変態だろーが!』って。叫んでやろうとしたのに、途中で瀬那くんの大きな右手に口を塞がれた。


くっそぉ……。


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