彼氏に一方通行
「もっと具体的に」

「んー……。あっ、秋山さんの水着姿見て、あいつ一番に何て言ったか知ってる?」

「それっ! 凄い気になってた。何て言ったの? 教えて」


猛烈に食い付いた私に、瀬那くんは不敵な笑みを見せる。



「『あのブタ……絶対、監禁してやる』って」

「悪口じゃん!」

「どこが? 秋山さんの水着姿が自分以外の男の目に触れるのは、悠斗にとって耐えられない拷問なんだって。そういや、ちょっと前も『誰の目にも触れないとこに、ほのかを閉じ込めておきたい』とか言ってた」

「ほんと?」

「ゴメン、それは嘘」


瀬那くんは口先だけで謝って、クツクツ喉を鳴らして笑った。



「秋山さんが俺と手ぇ繋いだ時の悠斗の顔見た? 泣きそうだったじゃん。今頃あいつ、大泣きしてんじゃね?」


私にはただの不機嫌顔にしか見えなかったけども。


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