彼氏に一方通行
「ああ、もう、ほのか、ジャマッ!」
とうとう苛々の限界が来たらしく、ようやく田所が私を見てくれた。ついでに私の名前も呼んでくれた。嬉しい。
「田所……」
「何?」
腹立たしげに、田所は問う。
でもいいの。田所が私の存在を認めてくれた、それだけで大満足。
「大好き」
「俺も」
チュン――
唇に一瞬だけ何かが触れた。まるで春風のように爽やかなそれ……。
というかさぁ、爽やか過ぎるだろ? 私はもっと濃厚なヤツを、ブチュッと希望。
「さあ、ほのかちゃん、どいてくれる?」
「なんで?」
不満げに聞き返せば、
「暑い、ジャマ、不快、イラつく、迅速な任務遂行の妨げとなる」
抑揚のない氷点下口調で返された。
とうとう苛々の限界が来たらしく、ようやく田所が私を見てくれた。ついでに私の名前も呼んでくれた。嬉しい。
「田所……」
「何?」
腹立たしげに、田所は問う。
でもいいの。田所が私の存在を認めてくれた、それだけで大満足。
「大好き」
「俺も」
チュン――
唇に一瞬だけ何かが触れた。まるで春風のように爽やかなそれ……。
というかさぁ、爽やか過ぎるだろ? 私はもっと濃厚なヤツを、ブチュッと希望。
「さあ、ほのかちゃん、どいてくれる?」
「なんで?」
不満げに聞き返せば、
「暑い、ジャマ、不快、イラつく、迅速な任務遂行の妨げとなる」
抑揚のない氷点下口調で返された。