彼氏に一方通行
そして、田所の『の●太くん』への説教は更に続く。


「たまには自分の力だけでやってみろって。男を磨け、男を!」


何を偉そうに……。お前こそ磨けよ、男をっ! と思う。



「くそっ、囲まれた。援護を頼む」


今度は何だ? 良くわからない。ボンドくんかな……。



本当に、田所の頭の中はファンタジーだ。そこがまた魅惑的だったりするんだけども……ってこれ、私だけかな?


思わず頬を緩めて、フウと一つ息を吐く。


今日は疲れたな。私も寝ますか。



ベッドの上、田所の隣に私も横になった。そしたら、それに反応したのか田所の両腕が伸びてきて、ぎゅうと抱き締められた。



「ほのか……」

不意に名を呼ばれ、起こしちゃったかなーなんて思いながら「ん?」と慌てて返せば、



「ブタ」

と。



そうして引き続きスー、スー、と安らかな寝息が静かな部屋に響き渡る。




何だよ、夢の中でもブタ呼ばわりかよ。

もしかしてこれも……田所の愛情表現?





あのスミマセン、

とんでもなく分かり辛いっす!





h24.3.27 Fin.




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