ひとまわり、それ以上の恋
「……1時間、ですか」
イヤな顔をするつもりはなかったけれど、正直困惑した。
だとしたら、私はどれだけ早く起きなくちゃいけないんだろう。
「辛いなら、ここに越してきて。見てもらえば分かるけど、部屋はあまるほどある」
「そんな、困ります」
トルソーに着せたランジェリーを指さして、彼は言った。
「君もプライマリーのことをよく知っているはずだから、分かるよね。あのマネキンのようにモデルになってもらえると嬉しい」
「えっ、む、ムリです。そんなモデルなんて」
咄嗟にそう口をついて出た。
「たとえば君が企画や開発にいっていたとしたら、当然のように毎日やることだよ。それが、僕と一対一になっただけのこと。そう思えば難しいことじゃないだろ?」
……それが一番、問題なんですってば。
「本当なら、モデルがいたけど……マタニティになっちゃったからね。“彼”の仕事だったんだけど。他に頼める子がいないんだ。なんでか分かる?」
彼、というのは社長のこと。そして美羽さんのことが浮かんだ。
それから、 ……なんとなく分かる。
もしもそうしたら、下心でお付き合いを迫ろうとする人がいるからだ。
ということは、市ヶ谷さんにとって、私は完全に『アウト』っていうことだよね。
仕事の目をしたり、冗談っぽくからかったり
私の顔色を窺って、いたずらに刺激したり……色んな彼がいて、本当が分からない。
だけど、今は……真剣だ。
イヤな顔をするつもりはなかったけれど、正直困惑した。
だとしたら、私はどれだけ早く起きなくちゃいけないんだろう。
「辛いなら、ここに越してきて。見てもらえば分かるけど、部屋はあまるほどある」
「そんな、困ります」
トルソーに着せたランジェリーを指さして、彼は言った。
「君もプライマリーのことをよく知っているはずだから、分かるよね。あのマネキンのようにモデルになってもらえると嬉しい」
「えっ、む、ムリです。そんなモデルなんて」
咄嗟にそう口をついて出た。
「たとえば君が企画や開発にいっていたとしたら、当然のように毎日やることだよ。それが、僕と一対一になっただけのこと。そう思えば難しいことじゃないだろ?」
……それが一番、問題なんですってば。
「本当なら、モデルがいたけど……マタニティになっちゃったからね。“彼”の仕事だったんだけど。他に頼める子がいないんだ。なんでか分かる?」
彼、というのは社長のこと。そして美羽さんのことが浮かんだ。
それから、 ……なんとなく分かる。
もしもそうしたら、下心でお付き合いを迫ろうとする人がいるからだ。
ということは、市ヶ谷さんにとって、私は完全に『アウト』っていうことだよね。
仕事の目をしたり、冗談っぽくからかったり
私の顔色を窺って、いたずらに刺激したり……色んな彼がいて、本当が分からない。
だけど、今は……真剣だ。