ひとまわり、それ以上の恋
――追伸。君のケータイの番号とアドレスも教えて。何かあれば直接連絡する。
文面を見ただけで、市谷さんのソフトな低音が聴こえてきちゃいそうで……一文字ずつ追いながら勝手に胸が熱くなった。
他意はないと分かっていても……いちいちドキドキさせてしまうんだから、罪な人。それに……あのモデルの件……どうするつもりなんだろう。
「あ、営業部の人たち戻って来た」
「え?」
「展示会の準備とかで遅くなるって言ってたから……よかった」
高梨さんの頬が紅潮する。振り返ると、みるからにパリっとスーツを着こなした営業部という感じの男性社員が三名ぐらいやってきた。
……このテンションの上がり方を見ると、もしかして高梨さんは営業部にお目当ての人がいるのかな?
研修の時に同じグループだった顔が見えて、脳内から名前を引っ張りだす。うーんと、誰だったっけ。
三人の中でも頭一個分飛び出ている背の高い人に視線を吸い寄せられる。
スーツの着こなし方といい、その品格といい、どう見ても同期という風には見えない――と思っていたら先輩だったみたい。
文面を見ただけで、市谷さんのソフトな低音が聴こえてきちゃいそうで……一文字ずつ追いながら勝手に胸が熱くなった。
他意はないと分かっていても……いちいちドキドキさせてしまうんだから、罪な人。それに……あのモデルの件……どうするつもりなんだろう。
「あ、営業部の人たち戻って来た」
「え?」
「展示会の準備とかで遅くなるって言ってたから……よかった」
高梨さんの頬が紅潮する。振り返ると、みるからにパリっとスーツを着こなした営業部という感じの男性社員が三名ぐらいやってきた。
……このテンションの上がり方を見ると、もしかして高梨さんは営業部にお目当ての人がいるのかな?
研修の時に同じグループだった顔が見えて、脳内から名前を引っ張りだす。うーんと、誰だったっけ。
三人の中でも頭一個分飛び出ている背の高い人に視線を吸い寄せられる。
スーツの着こなし方といい、その品格といい、どう見ても同期という風には見えない――と思っていたら先輩だったみたい。