キミイロ



だから、ちゃんとお別れを言おう。


亮くんを諦められるように……。


もう会わないって…。
もう連絡しないでって…。


ゴメンね……。


生きる事を諦めるためなんだ。
これは運命なんだ。
だから許して……。


『っ……うっ……』


私は声を押し殺して泣く。


亮くんに電話しよう。
会って、ちゃんとお別れを言おう。


私は、亮くんに電話をかけた。


プルルルルプルルルルッ―――…


コール音が耳に届く。


私は、涙色で滲んだ公園を見ながら、
コール音に耳をすませていた。









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