キミイロ
でも、まだその頃の俺はガキで
想いを伝える事なんて出来なかった。
だから、いつまで経っても
仲のいいクラスメートの関係だった。
そんな関係が2ヶ月続いて、夏休みに入る一週間前。
ついに俺と詩穂の関係が変わったんだ。
それは……そうだ。
セミの鳴く放課後の教室だった。
『あっちぃ……』
俺たちは日直だった事もあり、
放課後に残って日誌を書いていた。
「……」
『さっさと終わらせて帰ろうぜ。』
「う、うん。」
その時は詩穂の様子が何だか可笑しくて、
ソワソワしたりキョロキョロしていた。