キミイロ



君だけは……
優美だけは……
もう失いたくないんだ。


手放す事なんて出来ない。
大事な大事な宝物みたいな君。


君は俺に笑顔をくれた。


君は俺に愛をくれた。


詩穂を亡くしたあの日から
全部どうでもよくなっていた俺に
優美は、たくさんの愛をくれた。


「大好き」じゃたりない。
「愛してる」じゃたりない。
大きな大きな愛を……


詩穂にはきちんと言えなかった。


だから次は俺が言う。


『ずっと一緒だからな?』


「うん!」


『愛してる……。』


「うん……私も愛してる。」


愛してると頷いた君を
もう絶対に離さないから。


俺は小さな瑠璃色に輝く宝物みたいな君を力一杯、抱きしめた。





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