キミイロ



頬に伝う涙を拭い、
ベッドから立ち上がる。


そして一歩一歩、あの公園へと歩いて行く。


会えるかなんて分からない……。


約束なんかしてない……。


もう公園に来ることは無いかもしれない……。


でも、病室のベッドの上で
ずっと泣いてるのなんかイヤだ。


亮くんは来ないかもしれない。


もう会えないかもしれない。


でも、会いたい。


もう一度、話したい。
会って何を話すのかなんて分からないけど、
ただ、ただ…亮くんに会いたい。


強く「会いたい」と思うほど、歩くスピードが速くなっていく。


私は亮くんに会えるまで、ずっと待ってる。


何日でも待ってる。



私は、この気持ちの正体をまだ知らずに、
あなたの事を緑色のベンチで待ち続ける。




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