キミイロ

橙色の道―亮side―




教室の窓から青い空に浮かぶ白い雲を眺める。


今は授業中。
でも、先生の話なんて聞かずに、
俺は、ずっと空を眺めていた。


白い雲を見るとアイツを思い出す。


白い笑顔の優美を……


初めて会って、
2、30分話しただけの女の子。


でも、優美の顔が忘れられないのは事実だった。


今ごろ優美は何をしているんだろう?
病室の窓から、この空を見ているだろうか?


俺は青い空が嫌いだ。
青く晴れ渡った空が大嫌いだ。


でも今、この空からは目が離せられなかった。




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