お嬢様と執事の恋愛。
「椋が振り向いてくれないからいけないんだよ。」
今なんて…。
「椋が振り向いてくれないから、強硬手段に出たんだよ。ドキッってして愛恋の事好きになる予定だったのに失敗しちゃった。」
「は?」
「ごめんね。」
いやいや。
ドキッってしたし十分成功だよ。
『もう忘れていいから早く乾かして。髪痛む。』って言ってる。
髪を乾かしながら考えた。
愛恋は俺に何を求めてたのか?
俺はどうすればいいのか?
愛恋はドキッてさせた後何をしたかったんだ。
キスしてきて、
ドキッとさせたくて、
いまは膝の上にいる。
これって、
そういう意味でいいのか?
そのままの意味でとっていいならそうなるよな?
もしかしたら愛恋も俺と同じかもしれない…。
俺が帰って来た時、
悠太君は愛恋が欲しいものが俺だと言っていた。
愛恋も俺を待っていたって。
それなら勝負に出るよ。
当たって砕けろだ。
砕けたらもう1度フランスでもどこでも行ってやる。