とりあえず「好き」。


「おい」


「は?」


「その…まぁ…水かけて悪かった」


「なにいきなり。気持ち悪い」


「いや、後からあいに怒られそうだから
謝っただけだしな。
別に悪いとはまったく思ってねぇから。
あい〜!そろそろ帰るぞ」



………なにアイツ。


やっぱり意味不明。
あいちゃんに怒られるわけないのに。
水かけたこと知らないんだから。


ふっ…素直じゃない奴。



「潤樹おにぃちゃんこっちだよ〜」


「待て〜」



ふぅーん。
あんな笑顔も見せれちゃうのか。

子供みたいな無邪気な笑顔。


最低な奴なのに、
最低な奴なのにね。



ちょっとだけ、コイツ、そんなに悪い奴
じゃないかもしれないと、

あいちゃんと遊ぶ安藤 潤樹をみて
不覚にも、そう思った。



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