あなたがいたという記憶
なんとか時間ギリギリに間に合ったが、他の子たちはもうみんな来ていた。
私たちは自分のクラスの所に行き、担任が出欠をとりはじめた。
「高橋ー…あれ、高橋いないのかー?」
…
あれ?高橋くん?
辺りを見回してみたが、高橋くんの姿はない。
どうしたんだろう…
「高橋くんならさっきあっちに飲み物買いに行ってましたー。」
誰かが言ったその言葉は、救いの言葉のように思えた。
…なんでこんなにほっとしたんだ?
まあいいや。
担任が声をあげた。
「あ、来た来た。高橋ちゃんと時間は守れー。」
私は振り向いた。
そこには私服姿の高橋くんがいた。
え、
やば。
めちゃめちゃかっこいい。。。
ジーンズにパーカーというラフな組み合わせなのに、スタイルが良いせいか、とても大人っぽく見えた。
ぼーっと見惚れていると、華乃に脇腹を小突かれた。
「いった!なに、急に!」
びっくりして大きな声をあげてしまった。
「アホみたいな顔してぼーっと見てるあんたが悪い。笑」
さらっと言われて固まってしまった。
そして、苦笑してしまった。
…ほんとに、華乃はなんでもお見通しなんだな…