青春-甘くて苦い物語-
「お前、林と付き合ってるん?」
普段はあまり喋らない颯太が聞いてきた。
茶髪で制服もかなり着くずしている。
1組に彼女がいる。遊んでそうだ。
「えっ、付き合ってないで。」
「そうなん?」
「だって林、好きな人いるしーw」
「ふーん。」
私は颯太の質問に少し驚いた。
周りから見て付き合ってるように見えるなら嬉しい。
けど、なんでだろう。
あの言葉を口にしてから胸の奥がズキズキと痛む。
“林、好きな人いるし”
わかった、私は認めたくなかったんだ。
林が亜実を好きだってことを。
いつの間にか好きになっていたんだ。