青春-甘くて苦い物語-
バスの席の隣は沙理奈だ。
「ねぇねぇ、愛羅って好きな人いる?」
ドキッ
沙理奈の言葉に反応してしまった。
哲哉の顔が浮かぶ。
「彰?」
「ううん。」
「雄大?」
「ううん。」
「啓太?」
「ううん。」
「哲哉?」
「…うん。」
「マジで!?そうなんやぁ。告ったら?」
「無理無理!林、亜実のこと好きやし。」
「頑張ったら振り向いてくれるって!」
「そうかな?頑張ってみる。」
―――沙理奈にバレた。
まぁ、大丈夫だろう。
相談にものってくれそうだし。