キミとの距離
「・・・・はい、次手、繋いでみよっかー」
ドクンと胸が鳴った気がした。
こんなこと初めてじゃない。
前にもモデルの女の子と手繋いでいる写真もあったし、
わかってるのに。
なんだろう、この痛み。
「・・・・はい」
ジュンの大きい手のひらが長谷川 雛乃に差し出される。
「・・・・・わ、手、大きいね!」
「・・・・普通じゃない?」
結構遠くにいたのに鮮明に聞こえる会話。
手はもちろん恋人つなぎ。
こんなカップルいたらすごい目立つと思うのに
今カメラの前で手を繋いでる2人はすごく自然で。
「・・・・・本当のカップルみたい・・・」
ぼそっと優がいった言葉が大きくあたしに響いた。
その後違うところで撮影らしくて
ジュンと長谷川 雛乃とスタッフの人たちは
車に乗って行った。
乗り込む時一瞬ジュンと目が合った気がしたけど
締まるドアのせいですぐに遮られた。