キミとの距離






純の代わりになるかと思った

裕介くんには申し訳ないけど

純を忘れる事が出来るかもしれないと思った





・・・・・・・でもね、そんなの逆だったんだもん

他の人と一緒にいたら

尚更純を思い出してしまうんだもん






結局ね、ただ思い知っただけだった

純を忘れるなんて、無理なんだって

純以外を好きになるなんて、無理なんだって





純しかいないんだって








「・・・・・・・・・・え?」






裕介くんが立ち止まったのは

一番奥の教室

移動教室でも使うことのない教室







「・・・・・・・・・ここだよ」





裕介くんの声がいつもより少し、

低いような気がした




< 248 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop