キミとの距離
「・・・・俺、先に部屋戻ってる」
「おう、わかったー」
俺は一瞬で不機嫌そうになった
長谷川 雛乃の顔を見ないようにして
部屋に戻った
「・・・・・・・」
なんなんだ
俺はそこまで付きまとわれるくらい
いい男じゃねーよ?
結局みんな顔だけだ
顔を褒められるのが嫌いだった
顔だけしか見てない気がして
無愛想で口ベタで気の利いたことも出来ない
ただの馬鹿みたいな男なんだ
堂々と一緒に歩く事も出来ない
これからもモデルを続けていく以上
ずっとずっと隠していかなきゃ
いけねぇーんだよ?
それなのに、芽衣は好きでいてくれるんだ