瞳の奥をのぞかせて
「由吏には話すね……」
「私祖母に嫌われてるの。」
「どうして?」
「祖母は遥揮にどうしても継がせたがって私が生まれた事で遥揮じゃなくて私っていう選択肢が増えたし今は分からないと思うけど遥揮は身体が弱いんだ。昔は体調よく崩して学校よく休んでた。それで遥揮が16歳の時私が10歳の時にね私祖母に言われた言葉があるんだ。
゛あんたなんか弥薇家にふさわしくない。そんな顔も貧相で性格も暗いような娘が弥薇に居るなんて恥さらしもいいところだわ遥揮も可哀想にこんな愚妹が居るせいで学校でいじめられてないかしら?邪魔なら言うのよ?゛
「ひどい……美人で有名な咲揮なのに、性格だって……」
「遥揮がね言ってくれたの。大事な妹を侮辱しないで下さいって。でも私そんな家に居るのに耐えられなくて家出したの。誰も私の事探してなんかくれないって。でもそんなことなかった。お父さんもお母さんも遥揮も使用人のみんなも私を探してくれてた。でもね私その時死のうとしたの。弥薇家にいたらいつかは自分が壊れるって思った。その時私包丁握ってたから……止めに入った遥揮の左胸に包丁がかすって傷がついたの。一生消えない……幸いかすっただけだったけど結構深くまで切れちゃってまだあるの傷が……」