下り坂


――――――――――――*


荷物の準備もたんたんと進んでいき、

あっという間に4日間は過ぎていった。



今日は別れの5日目。


いつものカフェの前で愛莉を待つ。



「遅れてごめん〜!!」


少ししてから聞き覚えのある声が、

背後から聞こえた。

愛莉ががに股で走ってきたのだ。


「はぁはぁ。ごめん!!」


そう言って愛莉は顔の前に両手を合わせる。


「いいよ!!その代わりコーヒー奢ってもらおっかなっ」


「仕方ない、最後だから愛莉様が奢って差し上げよう!!」


「よっ!!愛莉!!」



そんなじゃれあいをしながら、私は愛莉とカフェに入った。
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