下り坂


トラックのクラクションだけが耳に残る。

そこからは俺も、牧も、隣のやつも頭は真っ白だった。



「お、おい、大丈夫なのかよ」


「お、俺救急車呼ぶわ」



慌てて携帯を震えた手で出す。

当の牧は呆然としていた。



目の前で、

愛夏は、

さっきまで話していた愛夏は、

今血を流して道路で動かなくなっている。



信じられなかった。

今のこの光景が…。



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