下り坂


愛夏のお通夜もお葬式も、

牧は涙も浮かべなければ、

思いつめた顔おして愛夏の遺影を眺めていた。



「牧、お前のせいじゃないから」



俺は愛夏が死んでから、

何度この言葉を牧に言ってきただろう。



「あいつ、牧に死んでからも迷惑かけやがって…」


「なぁ佑」


「ん??」


「死んだ人ってさ、どうなるんだろ」


「んー、星になるんじゃねぇの??」


「じゃぁ俺、一生星見ないや」




< 147 / 164 >

この作品をシェア

pagetop