下り坂
そこに待っていたのは、
青々しい木々たち。
コンクリートと森の間にそよそよと小川が流れ、
そこが境界線のようだった。
私は急いで家に戻る。
「ちょっとお母さん!!
どういうこと?!ここ愛媛だよね?!」
「そうよぉ。愛媛の大三島!
素敵なところでしょ」
「大三島ぁ?!」
そこに私はピンときた。
さっきは寝起きで気づかなかったけど、
雨戸がなくなっている窓の先は、
自分の家の庭とその先には海が広がっている。
陸側の堤防は、私の胸ぐらいの高さしかないので、
ここからでもちょっと先の海は見える。