ヨットレース
場合によっては、スタートでレース結果が決まってしまうことも有ります。ヨットレースをしていると人間ていうのは大変メンタルな動物だなあと改めて感じることが多々有ります。
鳥羽パールレースでは、早くても約2日は帆走するわけですから、スタートでのハンディーは殆ど問題に成らないわけですが、スタートでの順位差は、なかなか取り戻すことができません。

2)ゴールに向け競争開始
 いよいよ170マイル(275Km)のヨットレースの始まりです。 スタートしたヨットの殆どは、遠州灘の岸側に長く伸びる渥美半島に向かって帆走して行きます。
先頭集団はコンテッサを初めとする大型のヨットで、スピードを上げてどんどん先に進んでいきます。 ヨットは大きい船ほどスピードが出ます。
我々の30フィートクラスのヨットは大型艇に比べて中型クラスに属しますが、スピードでは明らかな差が出ます。 我々の後に多くの中小のヨットが続いています。
スタートで出遅れた数隻のヨットが一発勝負とばかりに、渥美半島と反対の沖の方に進んでいます。 ヨット帆走は、常に風の方向と海流を考えて進むべき方向を判断しますが、風は時々刻々と変化しますので、予想が外れることがままあります。
先頭集団で走っているヨットは、集団の中での先頭争いと、一方でギャンブルに出ている後方のヨットにも注意を払う必要があります。
ヨットレースは戦略(ステラテージ)と戦術(タクティクス)の戦いで頭脳スポーツです。 先頭を走るヨットは、ギャンブラーをも意識して負けない戦いをしなければ成らないため、戦術担当(タクティシャン)は寝ている暇も無いようです。
ヨットメーカーやセール(帆)メーカーから派遣されたプロのヨットレーサーは、勝たなければ成らないという使命を背負っているため、我々サラリーマンのヨットレーサーとはまったく違った次元での戦いが繰り広げられている訳です。
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