ヨットレース
風は常に強弱を繰り返しますので、ヨットは傾いたり立ったりを繰り返しながら進みます。　風が１０メーターを超えると小さな白波が立ち、１５メーター近くになりますと海上にウネリが出来ます。　５~６回に１回大きなうねりが来ますので、船と大きなうねりがぶつかって、海水の飛沫が扇状に立上がり船上の乗組員にスプレー状になって降りかかります。
７月初めの太陽の下では、顔に当る霧状の海水は心地よいものです。　紅色の大きな太陽が水平線に沈もうとしています。　太陽の下側が海に映って達磨さん状態になりそして水平線にゆっくりと沈んでいきます。　太陽が残した真っ赤な夕焼けが白いヨットの帆を赤く染め正に、「夕日に赤い帆」でとても幻想的な瞬間です。　午後の６時も回り夕食の時間ですが、夕食も主食は食パンです。
ヨットレースでは、食事は簡単に作れる事が必要条件で、その点パンやインスタント食品は打って付けの食材です。　メーンディシュは、今回のレース主任である鈴木さんが大好きなケンタッキーフライドチキンです　。パンにはバターを塗りレタスとトマトにマヨネーズを付けて挟み、スープはインスタントのコンソメスープです。　お腹を空かしたレーサー気取りの面々には大そうなご馳走です。周りがだんだんと暗くなってきました。
船が走っていることを相手に知らせるための赤と緑の２色灯（航海灯）とマストの先端のマスト灯、船尾にも船尾灯を点けます。
今の時間はPM８時でレーススタートから１０時間がたちました。　現在の位置は、浜名湖を過ぎ浜松市沖まで来ています。　スタート時には沢山のヨットが周りにいましたが、いつの間にか周りには数隻のヨットのマスト灯しか見えなくなりました。
２４時間を越えるレースでは、勝負どこは夜間です。　誰しも明るい内は、周りに競争相手が見えることも有り、自然とレースに集中しますが、暗くなると相手のスピードが見えにくく、又自分たちのミスも気が付きにくくなるため如何しても集中力が低下します。
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