Love Side 
気がつくとベッドの上で眠っていた。


課長はもう部屋にはいなくて、



あたしは一人ホテルに残された。


いつだってそう。


愛してるなんて言葉は。


自分達の関係を正当化するだけのアイテムでしかない。


さっきの激しい情熱的な交わりは


夢の中のできごと


夢がさめれば、また日常に戻っていかなくては。


彼も、愛しい奥さんの待つ家に戻って行った。


気を失うほど激しい行為をした後


あの人はまた妻を抱くのだろうか。



奪うような交わり方をする彼との交わりは


あたしの中の女が手放せない。


幸せと呼べるものはあたしには手の届かないものなのだろうか。

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