Love Side 
綾波春日

一緒に食事をしただけの男の顔が浮かぶ


あの男ならあたしに幸せをくれるのだろうか。


わたしの唐揚げをつまみ口へ運んだ行為が


あたしの胸の中を掴んでいた。


人懐こい笑顔と、明るい癖のある髪

そして長く繊細なあの指。


彼は女をどんな風に抱くのだろう。


想像している自分を自嘲した。


あたしは、もう普通の恋愛はできないのかもしれない。


ホテルを出て朝焼けの街を、自分の部屋に向かい歩いた。


家に戻って朝食をとって


仕事にを行く準備をしなくては。



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