Love Side 
結局、残業がなかったので、

靴を取りに行くことにした。

預けっぱなしにすると忘れてしまいそうなので、

あの靴は、何回目かのデ-トの時に春日が買ってくれたものだ。

履きごこちが良くて別れても捨てられない思い出の一つ。



ショウウインドウには、あたしが買ったサンダルはもうなくて、

やや、奇抜なラメのパンプスが飾られていた。

確かに派手ではあるけど上品にまとまっている。

こんな靴を履いて非日常に飛び出したいと思ってしまうような、

魅了されてしまうデザインだった。

これも姫川さんがデザインしたものなのだろうか。

彼の、照れ臭そうに笑った顔を思い出して、

クスリと笑ってしまう。












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