Love Side 
「行きません。」

あたしは真赤になりながらフルフルと首を振る。

「冗談だよ。」

姫川はあたしの反応を楽しむように、

余裕の笑顔でにっこり笑う。

お酒が入ったせいか初めとは打って変わったこの態度に

腹も立ったし、こんな男に会ったばかりで打ち明け話などしてしまった事

それ自体、自分が情けなくなった。


とにかくこの場を離れたいと思った。


あたしは、

無言でデザ-トとコ-ヒ-を飲み込むと。

お財布からお金を取り出してテ-ブルに置き

「帰ります。」と言い放っていた。



「え?ちょっと待って?俺何か悪いこと言った?」

驚いている彼を置き去りにしたまま逃げるように席を離れた。

驚いたようなマスタ-の視線に軽く会釈をして

店を後にした。
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